月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「和夫さん、そんなに熱いキャラだったんだ」

「たぶんカホの影響じゃない?」

「あたしの?」

「あんたの言葉で、火がついたのよ」

「そ、そうかな」

だとしたらそれはそれで責任あるような…。

「ちなみに和夫はあんたの事これっぽっちも恨んじゃいなかったわよ」

「え?」

「情けない自分に喝を入れてくれたって、感謝していたわ」

「和夫さんがそんな事を…」

「わざわざ聞きに行ったのか、レミ」

笑いをこらえるような表情で達郎兄ちゃんは言った。

「なんだかんだ言って、レミもカホがやったこと気にしてたんだな」

「うるさいっつーの!」

麗美姉ちゃんは顔を真っ赤にしながら拳を振るったが、達郎兄ちゃんは慣れた様子でかわした。

『やっぱ仲いいなぁ』

あたしは感心(?)しながら、シルバーのネックレスを取り出した。

「あら可愛いネックレスね」

ネックレスに付いた猫のシルエットを見ながら、麗美姉ちゃんが言った。

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