月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
下校途中、あたしは道路の真ん中でよちよち歩きする、子猫を見つけた。
「かわいい!」
そう萌えると同時に目に入ったのは、猛スピードでやってくるトラック。
その直線上には子猫。
あたしの萌え心は一瞬にして吹き飛んだ。
あたしはカバンを放り出して道路に飛び出し、子猫のもとに駆け寄った。
両手で子猫を抱えた時には、トラックはもう目の前。
「あっ!」という顔をしたトラックの運転手が視界に入る。
あたしは無意識に目を閉じて、思い切り地面を蹴った。
地面を何度か転がったような気がした後、目を開けた。
あたしの頭の上にはガードレールがあった。
背中にはアスファルトの感触。
どうやら道路の反対側にたどり着いたらしい。
上体を起こすと、トラックが猛スピードで過ぎ去って行くのが見えた。
「旭さん大丈夫!?」
駆け寄ってきたのは一緒に歩いていた湯月くん。
あたしの彼氏だ。
湯月くんは律義にあたしのカバンを拾ってくれていた。
「かわいい!」
そう萌えると同時に目に入ったのは、猛スピードでやってくるトラック。
その直線上には子猫。
あたしの萌え心は一瞬にして吹き飛んだ。
あたしはカバンを放り出して道路に飛び出し、子猫のもとに駆け寄った。
両手で子猫を抱えた時には、トラックはもう目の前。
「あっ!」という顔をしたトラックの運転手が視界に入る。
あたしは無意識に目を閉じて、思い切り地面を蹴った。
地面を何度か転がったような気がした後、目を開けた。
あたしの頭の上にはガードレールがあった。
背中にはアスファルトの感触。
どうやら道路の反対側にたどり着いたらしい。
上体を起こすと、トラックが猛スピードで過ぎ去って行くのが見えた。
「旭さん大丈夫!?」
駆け寄ってきたのは一緒に歩いていた湯月くん。
あたしの彼氏だ。
湯月くんは律義にあたしのカバンを拾ってくれていた。