月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「それ藤上先生や婦長さんにも言われました」
「でしょうね」
「あと他の患者さんにも言われたような…」
「あら他の患者さんとも話す機会があったの?」
「はい」
「それは良かったわね」
「何でですか」
「入院の退屈を紛らわすなら、知り合いを作るのが一番よ」
それはそうだろうなとあたしは思った。
同病相憐れむなんて言葉もあるしね。
多江さんみたいな美人なら、ぜひ知り合いになりたいわぁ。
あ、でもあたし多江さんが何で入院してるのか知らないんだっけ。
同病云々なんて言えないわね。
「他の患者さんて、誰と話したの?」
お、高森さんナイスな質問ですね。
もしかしたら多江さんのこと聞けるかも。
「雪村多江さんていう女の人です」
「え…」
高森さんの表情が止まった。
なんかマズい事を言ったか、あたし?
「多江さんと話をしたの…」
一拍おいて、高森さんはこう言った。
「彼女、何か変なこと言わなかった?」
「でしょうね」
「あと他の患者さんにも言われたような…」
「あら他の患者さんとも話す機会があったの?」
「はい」
「それは良かったわね」
「何でですか」
「入院の退屈を紛らわすなら、知り合いを作るのが一番よ」
それはそうだろうなとあたしは思った。
同病相憐れむなんて言葉もあるしね。
多江さんみたいな美人なら、ぜひ知り合いになりたいわぁ。
あ、でもあたし多江さんが何で入院してるのか知らないんだっけ。
同病云々なんて言えないわね。
「他の患者さんて、誰と話したの?」
お、高森さんナイスな質問ですね。
もしかしたら多江さんのこと聞けるかも。
「雪村多江さんていう女の人です」
「え…」
高森さんの表情が止まった。
なんかマズい事を言ったか、あたし?
「多江さんと話をしたの…」
一拍おいて、高森さんはこう言った。
「彼女、何か変なこと言わなかった?」