月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
天国からのメール
翌日の昼食後、達郎兄ちゃんはふらりとやってきた。

「多江さんいるとは限らないよ」

持ってきてくれたナタデココヨーグルトを受け取りながら、あたしは言った。

「いなけりゃいないで来るまで待つ」

「屋上で?」

「昨日は勉強しなかったから丁度いいだろう」

「えー」

あたしは
(*´Å`)←こんな顔になっていたと思う。

勉強はいいけど、屋上ってのはなんか嫌だなぁ。

ぶちぶち言いながらもヨーグルトを食べ終えると、達郎兄ちゃんと一緒に屋上へと向かった。

多江さんはいなかった。

『屋上で勉強か』

心の中でタメ息をつく。

「座る?」

「まずカホが座れ」

お言葉に甘えてベンチに腰掛けたその時。

屋上のドアが開いた。

「あら…」

あたしの顔を見たのは多江さんだった。

初めて会った時と同じ、白いワンピースにピンクのカーディガン。

「おじゃましてます」

ヘンテコな挨拶をしたのは、初対面の時の後ろめたさがあったから。

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