月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
仕事の話に違いないんだけど、高森さんから話を聞いていたあたしは、デートの打ち合わせかしらんなどと、勝手な自己変換をしてしまった。
「どうした、カホ」
あたしの様子に気付いた達郎兄ちゃんは、訝しげな口調で言った。
「あのね…」
あたしは高森さんと仲良くなったこと、そして藤上先生と婦長さんの関係を説明した。
「入院中に何をしてるんだ、お前は」
達郎兄ちゃんの右手が伸び、あたしの鼻を一回つまんだ。
「別にいいじゃない」
あたしは唇を尖らせた。
「勉強しろ、勉強を」
「達郎兄ちゃんだって、家庭教師を後回しにしてるじゃない」
そう抗議したものの、あっさり無視された。
ちくしょー…。
…あ、そう言えば。
「そういや高森さん、達郎兄ちゃんのこと、カッコいいって言ってたよ」
どんな反応が返ってくるのか、楽しみにしながら言ってみる。
はたして、返ってきた返事はたった一言「ふーん」だった。
「どうした、カホ」
あたしの様子に気付いた達郎兄ちゃんは、訝しげな口調で言った。
「あのね…」
あたしは高森さんと仲良くなったこと、そして藤上先生と婦長さんの関係を説明した。
「入院中に何をしてるんだ、お前は」
達郎兄ちゃんの右手が伸び、あたしの鼻を一回つまんだ。
「別にいいじゃない」
あたしは唇を尖らせた。
「勉強しろ、勉強を」
「達郎兄ちゃんだって、家庭教師を後回しにしてるじゃない」
そう抗議したものの、あっさり無視された。
ちくしょー…。
…あ、そう言えば。
「そういや高森さん、達郎兄ちゃんのこと、カッコいいって言ってたよ」
どんな反応が返ってくるのか、楽しみにしながら言ってみる。
はたして、返ってきた返事はたった一言「ふーん」だった。