月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「ただカホの言うように、メールの送り主が和夫さんだとしたら、単純な話じゃ済まないかもな」
雨を眺めながら達郎兄ちゃんは言った。
その言葉が、あたしの胸にちくりと刺さる。
達郎兄ちゃんは名探偵。
あたしと違って勘で物を言わない。
そしてその推理はよく当たる。
だからとても気になる。
たまらずあたしはうつむいた。
「カホ」
達郎兄ちゃんの声に顔をあげる。
「ごめんな」
達郎兄ちゃんがあたしを見ていた。
「お前を不安にさせるつもりはなかったんだが」
「ううん」
あたしは首を振った。
達郎兄ちゃんはなんにも悪くない。
「それなら良かった。あと、今日も勉強も教えられなかったな。すまん」
いえ、それはそっちの方がありがたいですから。
「とりあえずはあたしなりに注意してみるよ」
「そうだな」
あたしたちがうなずいたその時。
「夕食ですよー」
抜群のタイミングで、食事係のおばさんが入ってきた。
雨を眺めながら達郎兄ちゃんは言った。
その言葉が、あたしの胸にちくりと刺さる。
達郎兄ちゃんは名探偵。
あたしと違って勘で物を言わない。
そしてその推理はよく当たる。
だからとても気になる。
たまらずあたしはうつむいた。
「カホ」
達郎兄ちゃんの声に顔をあげる。
「ごめんな」
達郎兄ちゃんがあたしを見ていた。
「お前を不安にさせるつもりはなかったんだが」
「ううん」
あたしは首を振った。
達郎兄ちゃんはなんにも悪くない。
「それなら良かった。あと、今日も勉強も教えられなかったな。すまん」
いえ、それはそっちの方がありがたいですから。
「とりあえずはあたしなりに注意してみるよ」
「そうだな」
あたしたちがうなずいたその時。
「夕食ですよー」
抜群のタイミングで、食事係のおばさんが入ってきた。