月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
翌日には雨もあがり、青空が広がった。
朝イチにお母さんが大量の荷物(主に着替え)を持って訪ねてくると、これまた大量の荷物(主に洗濯物)を持って出て行った。
「ごめんね、また時間あったら来るから」
病室を出る時、お母さんはすまなそうに言った。
「別にいいよ、無理しなくて」
お母さんは某デパートの現場主任。
超のつくほど忙しい身だから、来てくれるだけでもありがたい。
「お父さんも心配してたけど、仕事で来れないって…」
「ロサンゼルスからじゃ無理でしょ!」
あたしのお父さんは外資系企業の駐在員で、今はアメリカにいる。
心配してもらうだけで充分だ。
お母さんが帰ると、あたしは湯月くんが置いていったプリントを手に取った。
あの日から湯月くんは来ていない。
『オレの方からも話してみる』
達郎兄ちゃんはそう言ってくれたけど…。
やっぱ連絡した方がいいよね…。
あたしは携帯を手に取った。
朝イチにお母さんが大量の荷物(主に着替え)を持って訪ねてくると、これまた大量の荷物(主に洗濯物)を持って出て行った。
「ごめんね、また時間あったら来るから」
病室を出る時、お母さんはすまなそうに言った。
「別にいいよ、無理しなくて」
お母さんは某デパートの現場主任。
超のつくほど忙しい身だから、来てくれるだけでもありがたい。
「お父さんも心配してたけど、仕事で来れないって…」
「ロサンゼルスからじゃ無理でしょ!」
あたしのお父さんは外資系企業の駐在員で、今はアメリカにいる。
心配してもらうだけで充分だ。
お母さんが帰ると、あたしは湯月くんが置いていったプリントを手に取った。
あの日から湯月くんは来ていない。
『オレの方からも話してみる』
達郎兄ちゃんはそう言ってくれたけど…。
やっぱ連絡した方がいいよね…。
あたしは携帯を手に取った。