月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「もちろん婦長さんには口止めを頼んだ」
婦長さんはあたしにメールの送り主の正体については話さなかった。
多江さんのことを考えた結果だろう。
「だから旭さんも、口外はしないでほしい」
和夫さんはもう一度、念を押すように言った。
「わかりました」
あたしはうなずいた。
うなずきながらも、脳裏には達郎兄ちゃんの顔が浮かんでいた。
婦長さんはあたしにメールの送り主の正体については話さなかった。
多江さんのことを考えた結果だろう。
「だから旭さんも、口外はしないでほしい」
和夫さんはもう一度、念を押すように言った。
「わかりました」
あたしはうなずいた。
うなずきながらも、脳裏には達郎兄ちゃんの顔が浮かんでいた。