月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
「でもメールしてる時の多江さんと話してみるとわかる。きっと違和感を感じるはずだ」
それがイェマント氏病の特徴なのか。
それとも心の病とは全てそういうものなのか。
あたしには分からなかったけど、和夫さんの心の中に、いらだちが生まれていたのは確かだった。
テーブルを叩く指が、止まらなくなっていたからだ。
メールをしてる時の多江さんは、隆夫さんへの想い一色になっているのだろう。
多江さんを慕う和夫さんにしたらそれは…。
「でも、これからも隆夫さんとしてメールをし続けるんですね」
「そのつもりだよ」
和夫さんは笑った。
指の動きは遅くなったけど、止まりはしない。
「それが多江さんのためだと思うし…」
思うし…?
「僕自身も多江さんに会いたいしね」
メールを続ける限り、多江さんと接点が持てる。
和夫さんはそう言いたいんだと思う。
でも…。
「和夫さんはそれでいいんですか」
あたしは思わず言ってしまった。
それがイェマント氏病の特徴なのか。
それとも心の病とは全てそういうものなのか。
あたしには分からなかったけど、和夫さんの心の中に、いらだちが生まれていたのは確かだった。
テーブルを叩く指が、止まらなくなっていたからだ。
メールをしてる時の多江さんは、隆夫さんへの想い一色になっているのだろう。
多江さんを慕う和夫さんにしたらそれは…。
「でも、これからも隆夫さんとしてメールをし続けるんですね」
「そのつもりだよ」
和夫さんは笑った。
指の動きは遅くなったけど、止まりはしない。
「それが多江さんのためだと思うし…」
思うし…?
「僕自身も多江さんに会いたいしね」
メールを続ける限り、多江さんと接点が持てる。
和夫さんはそう言いたいんだと思う。
でも…。
「和夫さんはそれでいいんですか」
あたしは思わず言ってしまった。