月と太陽の事件簿16/さようならの向こう側
てかもう、この際だから訊いてみようかな。
「ねぇ、達郎兄ちゃんは麗美姉ちゃんのことをどう思ってるの」
「どうって」
「好きなの?」
あたしの言葉に、達郎兄ちゃんは固まった。
ポカンという顔をしたとか、そういう感じではない。
手足や表情が、文字通り固まったのである。
な、なんか変なことになっちゃったのかな。
「カホ」
びくつくあたしに向かって、達郎兄ちゃんは静かに口を開いた。
「それを訊いて一体どうする」
うわ、怖いくらい淡々とした無表情。
でもせっかくだからこの話題を続ける。
恐怖(というには大袈裟だけど)より好奇心の方が勝ったのだ。
「だって達郎兄ちゃんが外国から帰ってきたのって、麗美姉ちゃんが警察官になったからでしょ」
「誰から聞いた」
「おじ様」
「あちこちで言ってるな、父さんは」
達郎兄ちゃんは眉間にシワを作りながら、頭をかいた。
さすがの達郎兄ちゃんも父親には弱いらしい。
「ねぇ、達郎兄ちゃんは麗美姉ちゃんのことをどう思ってるの」
「どうって」
「好きなの?」
あたしの言葉に、達郎兄ちゃんは固まった。
ポカンという顔をしたとか、そういう感じではない。
手足や表情が、文字通り固まったのである。
な、なんか変なことになっちゃったのかな。
「カホ」
びくつくあたしに向かって、達郎兄ちゃんは静かに口を開いた。
「それを訊いて一体どうする」
うわ、怖いくらい淡々とした無表情。
でもせっかくだからこの話題を続ける。
恐怖(というには大袈裟だけど)より好奇心の方が勝ったのだ。
「だって達郎兄ちゃんが外国から帰ってきたのって、麗美姉ちゃんが警察官になったからでしょ」
「誰から聞いた」
「おじ様」
「あちこちで言ってるな、父さんは」
達郎兄ちゃんは眉間にシワを作りながら、頭をかいた。
さすがの達郎兄ちゃんも父親には弱いらしい。