ただいま賛歌
可愛いぁ。私がほほえましく見ていると、二人の表情に曇りが見えた。疑問に思う事があるみたいだ。
「…じゃあ何で、あんなに遠いところに?」
「電車で1時間もかかるじゃん。不憫極まりない場所なのに…」
「うん、それはねぇ…」
二人は興味津々と言ったように、私の言葉に耳を傾ける。
「影ちゃんに会うため!」
「「……は?」」
影ちゃん? と首をかしげる二人。
そんな人、卒業生に居たっけ? と言う風に。