氷女子と水男子
この炎天下の中。
何もないのと、ひやひやのタオルが手元にあるのでは天と地の差。
すごく魅力的だ。いや、すごく魅力的にそのときの氷華には見えた。
「…まぁ、使ってあげるわよ」
氷華はそう言うと、そのタオルを手に取った。
「……」
水斗は無言でタオルが巻いてあったミネラルウォーターの蓋を取り、飲み始める。
(プレゼント?作戦成功!)
飲みながら、水斗は心の中で勝利の雄叫びをあげていた。
弱ってる氷華に、これは効いたんじゃないだろうか、と水斗は思った。
タオルを首に当てたりしながら、氷華はちらちらと水斗を見ていた。
(…あれ…?)
ふと、氷華は思う。
ミネラルウォーター→タオル取る→わたし使う→水斗ミネラルウォーター飲む
「……」
直接つながってるわけではないが…。
(な、何か恥ずかしい!)
急に何かを感じた氷華は、顔を真っ赤にしてうつむいた。
「…?」
タオルを持ったまま真っ赤になっている氷華を見て水斗は、
(…タオル、冷却効果なくなったかな…。やっぱりあまり効果ないのか…)
と、1人悩んでいた。