氷女子と水男子

「水はバカにしてないわ。ただ、あんたのことをバカにしてるだけよ。水なんてくだらないとは思ってるけど!」

「お、お前、ふざけんな! てかお前こそ何だよ、その異様な氷への執着心は!」

「氷は素晴らしい固体なんだから。何でわかんないの?」

「そっちこそ!」

睨みあう2人。それだけでも間で火花が飛び散りそうだ。

そして、水斗はとんでもないことを口にした。

「お、お前なんて…」

「何よ!」

「お前なんて、氷みたいに頭かってぇし、おまけに胸もカッチカチだよな! このペタンコ!」

「……! な、何よ!?」

氷華は自分の胸をちらっと見る。

確かに、目立つ凹凸のないこの身体。

「……」

その通りなのだが。

その通りなのだが……。

「……ふざけんなこのハゲ!」

氷華の怒りボルテージが頂点に達した。

「は、ハゲてねぇし!」

「うっさい、このハゲバカアホ! あ、あんたなんて…あんたなんて…」

氷華はためてから言った。

「どうせ昨日の告白でウハウハ状態で夜も眠れなかったんでしょ!!?」

「はっ!!?」

「多季はそりゃ可愛いわよ。だけどこっちの気持ちも考えろってんだ、この変態オヤジ!!!」

氷華はそう吐き捨てるように言って、教室を飛び出した。

クラスは、みんな唖然。

それから少しずつ、ひそひそと話し始める。

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