氷女子と水男子
クラスメイトに飽きられているのも知らず、2人は続ける。
「大体なぁ、お前水飲んだこと無いのか!?」
「そりゃ飲んだことくらいあるわよ、氷が溶けて水は生まれるんだから。水は氷に感謝するべきなのよ」
「はぁっ!? 何言ってんだよっ! 氷だって水を凍らせて出来るんだから、氷が水に感謝するべきだ!」
「何言ってんの!? ホッキョクグマは氷の上で暮らしてるんだからね!」
「今ホッキョクグマ関係ないだろ!」
「大アリ! 氷は動物保護にも貢献してるんだから!」
「動物は水も飲むだろ!」
「つべこべうるさいヤツね!」
「それはお前だ!」
ガラッ
そこまでいって、教室のドアが開いた。
「氷華さん、水斗くん…うるさいですよ。1階の職員室まで声が聞こえます」
先生だった。
「「だってコイツが…」」
2人はハモった。
「ぱ、パクんないでよ人のセリフ!」
「そっちこそ!」
「いいから、二人ともだまりなさい。今日2人は居残りで掃除ね」
「「え、ええー!」」
またもハモる2人をよそに、先生は教室を出て行った。