氷女子と水男子
氷を溶かしましょう。
翌日。
「なー氷華ー」
「…? 何?」
氷華は大輔に話しかけられた。
「今取り込み中だから、早くしてよね」
「わーってるってー」
大輔は氷華の手に持っているそれを見た。
密封されたデカイ氷。
何に使うんだろう…と大輔は思ったが、口には出さなかった。
そして、聞きたいことを聞く。
「氷華ってさー、好きなタイプとかいんのー?」
「……はっ!?」
いきなりそんな質問をされたからだろう。氷華は驚いた様子だった。
「な…何よいきなり…そんな…あっ!」
どしゃっ
鈍い音がした。
氷華が氷を落とした音だ。
氷は真っ二つに割れ、悲惨な状態だ。
「あー…もしかして、動揺してました…?」
「…うるさい! めずらしく話しかけられたと思ったら、こんなこと聞かれて…、び、びっくりしただけよ!」
「…それを動揺と言うのでは」
「うるさいうるさい! わたしの氷どうしてくれんのよバカ!」
「…すみません…」
大輔はただ、謝るしかなかった。