君の左のポケットで~Now&Forever~
それに、わたしは耐えられるのだろうか。
ただレンを好きだという気持ちだけで、わたしは膨れ上がるたくさんのものを、受け入れていけるのだろうか。
ただの――ただの白クマのわたしに。
わたしは、そこに、その携帯の隣にいるだけで良かったんじゃないだろうか――
見つめるレンの顔が、だんだんと滲んでくる。
握り締めたままの柔らかい色のコーヒーの中に、零れた涙が落ちていく。
それでもわたしは……
「ナナ?」
俯いたまま涙を落とすわたしに気づいたレンは、身体を屈めて心配そうな声を出している。
「どうした、ナナ?」
わたしは――
「……レン」
それでも――
「ん? どうした?」
苦しいくらい――
「……き」
例え――
「ん?」
間違っていても――
「……レンが…」
好き―――
「…え?」
「……好きなの…」
「……」
「……好きなんだもん…」
「ナナ…?」