君の左のポケットで~Now&Forever~
「遊園地、行ってみたい」
「遊園地? いいよいいよ、行こう」
「ラーメン屋さん」
「ラーメン? 何でラーメン? んじゃ、遊園地行って、そのあとラーメン食べよっか」
「スキー場」
「スキー場?! もうとっくにシーズン終わってるって」
「プラネタリウム」
「プラネ…一日でそんなに回れるかな…」
「東京タワー」
「それなら、まあ、何とかなるか」
「シンデレラ城」
「……」
「海」
「……ナナちん、ひょっとしてまだ怒ってる?」
行きたいところなんていっぱいあった。
行って、やってみたいことや触りたいものなんていっぱいある。
「ナナ、ユウが困ってるぞ」
レンは苦笑してわたしを見ていた。
「ナナちゃん、ごめんってばあ」
ユウ君はぺこぺこと頭を下げている。
「あ、そうだ」
そうだ、やってみたいことがあったんだ。