君の左のポケットで~Now&Forever~
10.眠れない青い夜
わたしは一人でアパートに戻り、レンの帰りを待っていた。
レンの帰りをひとりで待っている勇気がなかったわたしは、
寂しさを紛らわしたい気持ちから、部屋に戻る前にユウ君を訪ねようとしたけれど、
ベランダから覗いたユウ君の部屋は真っ暗で、
まだ戻ってきていないようだった。
わたしは頼るヒトもなく、重い足を引きずって階段をあがった。
夕日は沈み、辺りはすっかり暗くなっている。
部屋にあがると、開いたカーテンの向こうにぼんやりとした細い月が浮かんでいた。
弱い月明かりは部屋を満たすこともなく、
しんとした部屋は耳鳴りがするほど心細かった。
大学やバイト先から戻ってくるレンを待っているのには慣れた。
ひとりでテレビを見たり、
掃除をしたり、
料理をしたりして。
必ず戻ってくるとわかっていたから、
ひとりで待っている時間だって、やり過ごせた。
時計の針が動くたび、レンの帰ってくる時間が近づいてくる。
そう思えば、何でもなかった。
でも、今日は違っていた。
暗い部屋の真ん中で、細い月だけがわたしを見ている。
時計の針が動いても、
かえってそれは、レンを時間とともに遠くしているような感じがした。
レンの帰りをひとりで待っている勇気がなかったわたしは、
寂しさを紛らわしたい気持ちから、部屋に戻る前にユウ君を訪ねようとしたけれど、
ベランダから覗いたユウ君の部屋は真っ暗で、
まだ戻ってきていないようだった。
わたしは頼るヒトもなく、重い足を引きずって階段をあがった。
夕日は沈み、辺りはすっかり暗くなっている。
部屋にあがると、開いたカーテンの向こうにぼんやりとした細い月が浮かんでいた。
弱い月明かりは部屋を満たすこともなく、
しんとした部屋は耳鳴りがするほど心細かった。
大学やバイト先から戻ってくるレンを待っているのには慣れた。
ひとりでテレビを見たり、
掃除をしたり、
料理をしたりして。
必ず戻ってくるとわかっていたから、
ひとりで待っている時間だって、やり過ごせた。
時計の針が動くたび、レンの帰ってくる時間が近づいてくる。
そう思えば、何でもなかった。
でも、今日は違っていた。
暗い部屋の真ん中で、細い月だけがわたしを見ている。
時計の針が動いても、
かえってそれは、レンを時間とともに遠くしているような感じがした。