君の左のポケットで~Now&Forever~
泣いて…困らせた女の子。

それは――わたしも同じだった。

泣いて、レンを困らせてばかりいる。

そのたびにレンは、優しくしてくれる。

放っておけないヒトなんだ。


わたしは…その女の子と、同じことをしている。

その子のこと…わたしは何も言えない。

きっと、レンを想う気持ちは、同じなんだ。


誰かが好きで、一緒にいたくって、離れたくなくて。

困らせるつもりはないのに、そうしてしまう。

同じなんだ。

恋って、みんなこんなに、苦しいんだ。


「ナナ?」

「……」

「ごめんな」

「……じゃない」

「ん?」

「…謝ることじゃないよ、レン」

「ナナ…」

「あたしのほう…謝るのは」


「ごめんね。酷いこと言って。困らせて。泣いてばっかりで」


「…まったく」

「……?」

「どいつもこいつも、泣いてばっかりだ、ホント」

「……ごめん」

「謝ったり、怒ったり」

「…ごめんってば」

「ほらまた」

「え?」

「謝ってるんだか、怒ってるんだか、わからん」

「……ごめんね。許して」

「許さない」

「…えええ…」




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