君の左のポケットで~Now&Forever~
「うう…失敗したらどうしよう…」


手元にあるのは、水色のスカーフたった一枚。

断裁するにも、形を作るにも、失敗したら、もう何にもできない。

とりあえずスカーフとにらめっこして、はさみを握り締めて…固まった。


いろいろ考えた。

何を作ろうか。


ポケットティッシュ入れ、コースター、無難に小物入れ。

でも、レンはティッシュは持ち歩かないし、コースターだって使っているのを見たことがないし、小物入れって言ったって、ちっちゃいものを持ち歩くようなタイプでもないし。

どうしよう。


考えた末、お守りを作ることにした。

お守りって言っても…ちゃんとご利益を付けれるわけじゃないけれど、

いつでもレンに持ち歩いてもらえるってことを考えれば、それが一番いいような気がしたから。

わたしの、想いを込めれれば、それでいい。


レンが毎日健康でありますように。

レンが事故にあったりしませんように。

レンがいつでも笑っていられますように。

レンが泣いたり落ち込んだりしませんように。


ずっと、レンと一緒にいられますように。


そんな想いを込めて、レンに贈りたい。



そう思った。


< 215 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop