君の左のポケットで~Now&Forever~
視界の隅に、お守りの影が入り込んできた。

レンに作った、お守り。


レンがいつでも笑っていられるように、

いつでも幸せであるように、

そう思って作ったお守りなのに。


そっと手を伸ばし、手のひらにのせた。

赤いスカーフと水色のお守りは、わたしの胸を締め付けた。



何もできない……そうじゃない。

何もできないと思っているだけじゃないだろうか。


もしかしたら…

もしかしたら…


また、奇跡が起きたら…


レンもユウ君も、この苦しさから解放されるかもしれない。



レンはわたしが支える。

わたしが守る。

そう誓ったんだ。





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