君の左のポケットで~Now&Forever~
わたしはもう…十分な幸せをもらえました。



ただのキーホルダーだったわたしを受け入れてもらえるなんて、

それだけでも信じられないことなのに。


願っていたレンとの生活を与えてもらえて、

友情まで教えてもらえて、

贅沢すぎるくらい、幸せでした。




もう、十分です。

ホントに、楽しかった。

嬉しかった。


……幸せだった。




わたしの願いを聞いてもらえますか?

お母さん……



わたしは、白いお母さんの身体に腕を回し、胸に顔をうずめた。

柔らかくて温かいお母さんの胸。

レンと…同じ匂いがした。


背中を撫でるお母さんの手のひらも、

髪に唇を当ててくれる感触も、

レンと、同じように優しかった。





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