君の左のポケットで~Now&Forever~

そして。


今までの17年間、


レンのそばにいてわたしが覚えたものはそれだけじゃなかった。



レンのしぐさや何気ない表情に、


ドキドキしている自分がいることに気づいたのはいつだったろう。



ポケットや鞄に入れられて、


レンの顔が見えないときに感じる不安が大きくなっていたのは、いつからだったろう。



いつだって一緒にいるはずなのに、


すごく遠い存在に感じ始めたのは、いつごろからだったろう。



白クマの、親指サイズの、ただのストラップのわたしは、


いつのまにかレンを想うようになっていた。






叶うはずのない恋を、してしまったんだ―――



< 35 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop