君の左のポケットで~Now&Forever~
そして。
今までの17年間、
レンのそばにいてわたしが覚えたものはそれだけじゃなかった。
レンのしぐさや何気ない表情に、
ドキドキしている自分がいることに気づいたのはいつだったろう。
ポケットや鞄に入れられて、
レンの顔が見えないときに感じる不安が大きくなっていたのは、いつからだったろう。
いつだって一緒にいるはずなのに、
すごく遠い存在に感じ始めたのは、いつごろからだったろう。
白クマの、親指サイズの、ただのストラップのわたしは、
いつのまにかレンを想うようになっていた。
叶うはずのない恋を、してしまったんだ―――