君の左のポケットで~Now&Forever~
ふいに、レンの手がわたしを包み込んだ。
うつむき、わたしに向けられた表情は、暗闇のなかで陰になってよく見えない。
けれど、薄っすらと点る家々の灯りがひっそりと差し込んで、
瞳だけはなんとなくぼんやり見える。
光の加減で少し輝いてみえるレンの瞳は、
この暗い空で頼りなく瞬く星よりも、ずっとずっと、心細いものに見えて、
わたしの胸は、ぎゅっと押しつぶされる。
この瞳を見るたびに、
わたしのココロは、苦しくなるんだ―――