君の左のポケットで~Now&Forever~
レンの部屋はアパートの二階の左端で、その友達の部屋は下の階の真ん中にある。
レンが「ユウ」って呼んでいるその友達は、
明るくて陽気で、口を開くとお喋りが止まらない男の子。
朝、自転車置き場で会うと、おもいっきり機嫌の悪そうな顔をしているのに、
レンとふたりでテレビを見ているときの夜の顔は、すっかり機嫌のよくなった小麦色の肌がテカテカと光っている。
足をぱたぱたさせて、大きな子供みたい。
レンもお喋りをすると止まらなかったりするけれど、ユウ君ほど陽気じゃない。
どちらかといえば穏やかだけれど、
でもわたしだけが知っているレンもいる。
おっちょこちょいだったり、完璧そうなのにどこか抜けている、っていうところ。
お母さんに似た、男の子にしては少し白い肌の色が、
お風呂あがりには薄っすらと赤くなるところ……とか。