君の左のポケットで~Now&Forever~
6.ナナ
その日から、一週間が過ぎた。
あの日、わたしとレンは、もじもじしながら、戸惑いながら、
一時間くらい…話しただろうか。
レンは、わたしが一体誰で、どうして自分の部屋にいるのか、
しかもどうしてそんな格好…裸でいたのか気になったみたいで、
「その…オレ、なんか乱暴なことした?」…なんて申し訳無さそうな顔をした。
でもやっぱり、思い当たることもないって感じで、ずっと困惑した表情のままだった。
わたしは曖昧な返事しか返せなかった。
わたしはストラップで、レンの携帯についていた白クマで、
朝、目が覚めたらこうなっていたんだ…と説明したところで、
きっとレンは信じられないだろうし、
混乱させるだけだと思ったから。