君の左のポケットで~Now&Forever~
一週間のあいだ、
わたしはレンが大学に行っている時間ひとりぼっちで部屋にいるしかなかった。
好奇心に負けて外に出てみようかと思ったけれど、やめた。
テレビや積み重なったまま置いてある雑誌を引っ張り出して眺めてみたり、
大学に通う女の子のことを思い出したりしていると、レンの服を着たわたしの格好があま
りにも変なことに気づいたし、
それに、何よりひとりで外を歩くのは怖い気がした。
いつもレンのポケットか鞄に入っていただけだったし、
部屋の中を歩いていても、何となくぎこちない感じだったから。
テレビを見たり、
ベランダから外を見たり、
冷蔵庫のなかを覗いたりしながら、ただ一日中レンが帰ってくるのを待っていた。