白雪姫?
あの夜、女王様は結局、林檎を一個も減らさずに、帰って来ました。
――…安心おし。お前のお母様がお前を追い出したのは、決して悪いことをしたからじゃないよ。
――本当?
――ああ、本当さ。お前のお母様はね、本当はお前を失いたくない筈だからね。
――お前の身を守るために、こんな森の奥へやったんだよ、きっと。
――でも、狩人さんは…
――細かいことは気にするんじゃないよ。
あんなオヤジを信用するもんじゃない。
――まあ、嬉しい。じゃあ、わたしに何かできることは…。
あ、その林檎をいただいても…
――Σおっとおっとおっと!
いけないよ、わたしは帰るんだからね!!
…お前は、安心して、小人達と暮らすがいいよ。
――…はい、お婆さん、ありがとう!