白雪姫?
「よろしかったのですか?
白雪姫がいては、女王様が一番美しいとは言えないのでは…。」
「ふん。あんな小娘には無い、大人の魅力があるのさ。私にはね。
だから、あんな奴にムキになるのは、可笑しいことなのよ。」
「今まで散々ムキになってたじゃないですか。」
顔に付いた泥を拭いながら、女王様は満足気に言います。
「私には城での暮らし。
あいつには森の暮らしがあるのさ。
ま、厄介事には干渉しないのが一番さね。」
「…女王様、ちょっと見直したかもです。」
「む?何か言ったかい?
悪口だったら、ただじゃおかないよ?」
「はいはい。悪口じゃございませんよ、“我らが女王様”。」