£神様からの贈り物£(完)
私の戸惑いが分かったのか、安心させるようにリックは微笑んだ。
「これは、私の母の形見だよ。
君に持っていてほしいんだ。」
リックのお母さんの形見。
そんな大事なもの…
「…貰えないよ。
リックとお母さんの大切なものなんでしょう?」
すると、リックはゆっくり首を横に振った。
「確かにこれは、大切なものだよ。
だけどね、だからこそ君に持っていて欲しいんだ。
君がそれを持っていてくれれば、きっと母がまた君と出会わせてくれる気がする。
だから、また会うときまで持っていて欲しい。
それまで、俺のことを忘れないでいて。」
「リック…。
分かった。またリックに会うときまで、大切に持っておくね。
それまで、リックを忘れるわけなんてない。
逆に、私の方が忘れられちゃいそうで怖いよ‥。」
溜めていた涙がこぼれ落ちた。
*