あの日の朱雀
教室に着く。
一番後ろの窓際の隣。
相変わらず大地は机に突っ伏してる。
「…」
そろそろ変わらなくちゃいけない。
私は勇気を振り絞った。
「っおはよ!五十嵐!」
背中をポンッと叩いてみた。
「んっ…」
背中をいきなり叩かれた衝撃と、私に声をかけられた衝撃で、とても驚いていた。
「あ…おは…よ。」
拍子抜けした顔。
「変わらないね。あんたも。」
そう言って鞄を置き、私はナツの席に向かった。