あの日の朱雀
「あんたってホンット馬鹿。」
おにぎりを食べながらお姉さんが赤髪をかきあげる。
「うっせぇ。」
朱雀さんは少し落ち込んだ様子だった。
「ねぇ、夕空。」
「はい?」
話しかけてきたのはお姉さん。
「午後はあたしと回らない?」
「え…」
ニコッと笑うお姉さん。
「おい姉貴!俺の夕空…」
「あんたのじゃないから。」
きっぱりと言うお姉さん。
「ね?いいでしょ?」
私はおどおどしていた。
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