あの日の朱雀
2人で来たのはひよこ広場。
「ここなら話せるよね。」
そう言って、施設内のベンチに座る私とお姉さん。
「ったく。朱雀がごめんね。」
ドカッと座ったお姉さん。
「いえ。私が遅いから…」
「何言ってんの!あいつがはしゃぎすぎただけでしょ。」
そう言って2人で笑った。
「でもね…それだけあいつは夕空の事がスキなんだよ。」
遠い目をしたお姉さん。
「…嬉しいです。」
私は下を向いて笑った。
「あいつも昔は色々あってさ。それを話そうと思って。」
お姉さんの口から、衝撃的な事が分かった。
でもね朱雀さん。
私これで朱雀さんを嫌いになる事なんてできなかったよ。