あの日の朱雀
第11話 『衝撃的事実』
「昔ね、あいつ女がいたんだよ。」
私の体がピクッとはねた。
「今はなんもないよ?でもね…当時は今の夕空みたいに…本当に
大切にしてたの。その子のこと。でもね…その子、浮気したの。」
「…」
私は何もいえなかった。
「朱雀もその頃はバカやってたからね。その事をキッカケに、結構派手に暴れてさ。あたしが止めて、どうにかなった
んだけど。」
ペットボトルのお茶を飲み干したお姉さん。
「あいつもさ、二度とそんな思いはしたくないと思うんだ。あいつの事
ばっか味方するんじゃないんだけど
…なんていうか…兄弟だから、さ。」
ハハッ、と笑ったお姉さん。
「あいつの事…ずっと…スキでいてやってくれる?」
照れくさそうに笑うお姉さん。
「…はい。」
私は静かに返事をした。
朱雀さん…