あの日の朱雀
なぜか。
目をあわせられなかった。
「…」
あたし、バカだな。
別れたって言ってたのに。
嫉妬しちゃってんじゃん。
「おふくろ。」
朱雀さんだ。
「何?」
「夕空と飲み物買ってくるわ。」
シートベルトをはずす朱雀さん。
「あら。水筒のお茶あるのよ?」
「朱音が全部飲んだ。」
そう言って、私の手を掴み車を開けた。
「わ、私は待って…」
「いいから。」
朱雀さんは強引に私の手を引いた。
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