あの日の朱雀




「なぁ。夕空。」




朱雀さんがふぅっとため息をつきながら言う。




「俺って、何のためにいる?」



「えっ…」



「俺…夕空の支えになれない?」




赤黒の髪を揺らして、泣き出しそうな顔をする朱雀さん。




「違う…」




私は胸の奥からこみ上げるものを必死に抑えて言った。




「お姉さんっ…言ってた…っ」



「え…?」
















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