あの日の朱雀
第12話 『夏のおとずれ』
めぐる季節の途中。
季節は夏になった。
「暑ぃー…」
ナツの死にそうな声が、学校で毎日のように繰り返される。
「こっちまで暑くなんじゃん。」
屋上でペットボトルを振る私。
「だって!!まだ夏休みまで3日もあるんだもん。」
「あと3日でしょ!」
そう。
テストが終わり、あと3日で夏休み。
「待てないよぉ~…」
ぐでーっと寝そべるナツ。
「どうせデートの予定ぎっしりなんでしょ!夕空は。」
「そ、それは…」
「あーあ!図星だ!」