あの日の朱雀




「俺お前の事大事だったよ。」



「…ぅっ…」



「でもさ、もういいだろ…?そろそろ俺が幸せになってもいいだろ…?」




そう言って、こちらを向いたお兄ちゃん。




「いつから俺たち。間違えたんだろうな。」





















知らない。



そんなの知らないよ。






窓の外から聞こえる蝉の声が、夏のおとずれを感じさせた。














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