あの日の朱雀




私、何してんだろ。



私ってなんだろ。



お兄ちゃんと離縁してから、そんな事ばかり考えていた。




「夕空ちゃん。」




おばさんが食卓から話しかけてくる。




「はい?」




少し焦っているようだ。




「朱雀がお弁当、忘れていったみたいなの。届けに行くんだけど、行くかしら?」




車のキーを持っているおばさん。




「いいんですか?」



「えぇ。こんなおばさんより、可愛い夕空ちゃんが届けた方が朱雀は喜ぶわ。」




優しい笑顔。




「はいっ!」





私は急いで支度をした。



















< 141 / 356 >

この作品をシェア

pagetop