あの日の朱雀
入るだけでも緊張する。
だって、皆でジロジロ私の事を見るから。
そりゃ、160cmのおチビさんだけどさ。
来年になれば、あたしだってこんな大学に…
「ねぇ、君。」
「わぁっ!!」
辺りにいた人達全員が私の方を見る。
「ごめんごめん。驚かすつもりはなかったんだけど…」
「わ、私こそ…」
振り返ると、背の高いイケメンがいた。
「あの…」
「ここで何してんの?」
イケメンが笑顔で言う。
「えっと…その…」
私はしどろもどろだった。
「ここの生徒…じゃないよね?」