あの日の朱雀




夏祭りは大勢の人でごったがえしていた。




「凄いっ!」




お祭りなんて久しぶりで、私は大はしゃぎだった。




「おいおい。はしゃぎすぎだろ。」




なんていいつつ、朱雀さんも楽しそう。




「夕空。この金魚欲しいか?」




とびきりの笑顔で聞いてくる朱雀さん。



金魚すくいだ。




「いいの?」




小さな金魚たちが泳いでいる。



家に持って帰ったら、きっと朱音君喜ぶよね。




「あぁ。見てろよ。」




屋台のおじさんに100円を私、袖をまくる朱雀さん。




「わぁ…」




凄く上手だ。



あっという間に桶に金魚が溜まっていく。












< 161 / 356 >

この作品をシェア

pagetop