あの日の朱雀
「あ、起きた?」
笑顔でドアを開けた東雲さん。
「どうも…」
私はうつむきながら言った。
「あははっ。そんなに緊張しなくていいよ。とって食ったりしないから。」
そう言って、氷枕を渡された。
「熱あるみたいだからね。」
「はい…」
東雲さんの目を見れない。
まだ…他の男の人は怖い。
「飲み物でも取ってくるから。テレビでも見てて。」
そう言って、テレビのリモコンを渡してきた。
「ありがとう…ございます…」
「ん。」
バタンッ