あの日の朱雀



ガチャ



「おまたせー…」



ダメだ。



泣いている所だけは見られちゃいけない。




「ーっ…。」




私は袖でゴシゴシと目を拭いた。




「…泣いてる?」




机の上に飲み物を置きながら、東雲さんが聞いてくる。




「~っ。」




私は顔をブンブン振った。




「ホント?」




私はコクンとうなずく。




「分かった。」
















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