あの日の朱雀
「朱雀さんって、ホントに朱雀みたいですよね。」
私は枕に頭を預けて、首の所まで布団をかぶって言った。
「なんだそれ。ま、よく言われるけど。」
ニカッと八重歯をだして笑った。
「なんかオーラが赤いっていうか…なんていうか。」
私もニコッと笑った。
「おまえ、ゆらってんだろ?どんな漢字だ?」
朱雀さんが興味津々に聞いてくる。
「夕空で、ゆらって読むんです。」
朱雀さんの赤い瞳を見つめて言った。
「おぅ。良い名前だな。」
そういって、私の髪をくしゃっとなでた。