あの日の朱雀



「あ!!」




朱雀さんが思い出したような声をだした。




「・・・どうかしましたか?」




私は小さな声でたずねた。




「おまえ!家に連絡してねぇだろ!?」




朱雀は焦った顔をしている。




「大丈夫。あたし、お兄ちゃんと2人暮らしだから。」




そういうと、朱雀さんは何かを察した様子で、それ以上何も聞かなかった。




「お、そういやなんか食いたいもんある?」




朱雀さんはニコニコしながら聞いてきた。




「じゃあ…おかゆで。」




朱雀さんは、「おっしゃ」と言ってキッチンに向かった。




階段を降りる音が聞こえた。



一軒家なんだ。













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