あの日の朱雀



大型スーパーに着いた。




「電気コーナーに行きたいんだけど…」




エレベーターのガイドを覗く桂馬さん。




「あ、5階だ。」




そう言って、私の方を見た。




「じゃあ、乗りましょうか。」




私がボタンを押すと、エレベーターの扉が開いた。




「悪いな。付き合ってもらっちゃって。」




困ったように笑う桂馬さん。




「いいんです。私なんかいつもお世話になっちゃってて…」



「それは気にすんな。俺が勝手にやってんだから。」




話しているうちに、5階に着いた。




「じゃ、俺見てくるからさ。30分後にここな?」




桂馬さんは別行動を計画していた。




「一緒に行きますよ…?」



「んー…秘密の物だから。」

















< 253 / 356 >

この作品をシェア

pagetop