あの日の朱雀
大型スーパーに着いた。
「電気コーナーに行きたいんだけど…」
エレベーターのガイドを覗く桂馬さん。
「あ、5階だ。」
そう言って、私の方を見た。
「じゃあ、乗りましょうか。」
私がボタンを押すと、エレベーターの扉が開いた。
「悪いな。付き合ってもらっちゃって。」
困ったように笑う桂馬さん。
「いいんです。私なんかいつもお世話になっちゃってて…」
「それは気にすんな。俺が勝手にやってんだから。」
話しているうちに、5階に着いた。
「じゃ、俺見てくるからさ。30分後にここな?」
桂馬さんは別行動を計画していた。
「一緒に行きますよ…?」
「んー…秘密の物だから。」