あの日の朱雀
それだけ言って、窓の方を見てしまった。
「…」
「…」
何から言えば…いいんだろう…
「…朱雀さんはどうしたの?」
先に口を開いたのはナツだった。
「…あたしがダメだから…朱雀さん家を出た…」
何言ってんだろ
ナツにこれだけじゃ伝わらない
「あたしが…ダメって?なんかあったの!?」
ナツは私の肩を揺らす。
「えっと…」
何から話せば…
「夏祭りで…あたしは…」
ポロポロとこぼれる涙。