あの日の朱雀





それだけ言って、窓の方を見てしまった。




「…」



「…」




何から言えば…いいんだろう…




「…朱雀さんはどうしたの?」




先に口を開いたのはナツだった。




「…あたしがダメだから…朱雀さん家を出た…」




何言ってんだろ



ナツにこれだけじゃ伝わらない




「あたしが…ダメって?なんかあったの!?」




ナツは私の肩を揺らす。




「えっと…」




何から話せば…




「夏祭りで…あたしは…」




ポロポロとこぼれる涙。














< 262 / 356 >

この作品をシェア

pagetop