あの日の朱雀






「夏祭り!?それでどうしー…」



「俺が話す。」




ナツの肩を掴んだ桂馬さん。




「ごめん。好きな女に泣いてもらうと困るんでね。」




そう言って、私の頭をテーブル越しになでる。




「平気だ。これ、してろ。」




そう言って渡されたのはミュージックプレイヤー。




「聞きたくないだろ。あんな事。」




私はイヤホンをして、自分の世界に入った。



どうして



桂馬さんにはいえたのに



ナツにはいえないの…?



もう



思い出せないよ















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