あの日の朱雀




30分くらい経ち、気づけば私はテーブルに突っ伏して寝ていた。




「んー…」




騒がしい音楽になり、私は起きた。



隣にナツはいなかった。




「!?」




私はガバッと起きて、辺りを見た。




「あ、おはよう。」




ニコニコしながらこちらを見る桂馬さんは、本を読んでいた。




「ナツは!?」




私はイヤホンをおいて言った。




「帰ったよ。今日は予定があるらしくて。」




そう言って本を置く桂馬さん。




「ちゃんと全部話したから。ナツちゃんも納得してた。これ、連絡先だって。」




目の前に置かれたメモ用紙。




「あ、ありがとうございます…。」




アドレスと電話番号。



でもあたし…携帯ないんだよね…



朱雀さんの家においてきて。












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