あの日の朱雀




「朱音君!寝癖凄いんだから、お弁当なんかより洗面所行ってきな?」




そう言って、広くなった背中を精一杯押した。




「はいはい。姉さん、また良い女になったなー。」



「っばか!」




何処か面影が朱雀に似てきた気がする。




「夕空ちゃん、そろそろ朱雀、起こしてきてくれるかしら。ついでに朱花も。」



「あ、はい。」




朱雀さんは今、体育教師として中学校に通っている。



中学校教師の朱雀さんと、中学生の朱音君。



なんだか笑える。

















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